メルカリ疲れ=コミュニケーション疲れ。マネージドマーケットプレイスがこれから盛り上がる理由

CASHという、ブランド物を写真で取ると即座に審査が完了し、その場でお金を受け取れるというサービスがあります。このサービスに関するインタビューでCEOの光本勇介氏はメルカリ疲れに関して言及し、購入者とのやり取りでさえ面倒だと感じるユーザーが増えていると話しています。

また連続起業家でCAMPFIRE代表の家入氏はTwitterで下記のようなことをつぶやいています。

日本では、これまで全然話題になっていないのですがアメリカでは、メルカリのように運営がシステム以上の部分では間に入らないようなマーケットプレイスと対比させて、マネージド・マーケットプレイスと呼ばれるサービス体系が注目を浴びています。

今回の記事では、このマネージドマーケットプレイスがこれから盛り上がる理由について書いていきます。

マネージド・マーケットプレイスとは

マーケットプレイス(日本だとマッチングサイトと言われることも多い)とは、簡単にいうとサービス提供者、購入者間がスムーズなやり取りが出来るような場所のことで、運営事業者は多くの場合自社ではサービスを提供しません。こうしたサービスは大量にあり珍しいものではないですが有名なものをあげると、既に上記で取り上げたメルカリ、ココナラ、AirBnBなどがあります。

例えば、AirBnBのようなサービスの場合、ホテルのように予約サイトで予約したら後は当日行くだけというわけにはいきません。例えば、サービス提供者が当日は貸出が無理だったり、価格交渉が発生したり、自分のことを気に入らなくて断られるということだってありえます。
また、こうしたサービスでは一般的に相互レビューをすることで質を担保するというようなことをしているのですが、相手のことを悪く書けば、自分のことも悪く書かれるかもしれない、という不安から多くの人は評価を甘めにつけます。結果として、質のそれほど高くないところでも5つ星が並んでいるようなことが起こり、本当に質が高いところを探すのは大変だったりします。

また情報の非対称性によって、大して価値の高くないサービスを高値で売りつけられるような場合もありえます。例えば、中古車を買い取ってもらうサービスがあるとしましょう。この時、中古車業者は当然ながらその車が持つ本当の価値を知っています。しかし、売る側は業者側と同一の知識を持っていることはまずありません。結果として、適正な価格を知るには複数の業者を回って価格を知るような作業が出てきたりします。

車のようなモノであれば、まだ分かりやすいですがサービスだとどうでしょうか?例えば家のリフォームだとどうでしょう?価格が安かったとしても安いなりの素材を使われてしまう可能性があります。デザインの提案が酷い場合だってありえます。また購入者側に専門知識が無いために、仮に5つ星の評価があったとしても信頼性は担保されません。また例えば、業者によって得意分野が違っており、特定の分野ではすごく質が高くても、別の分野は並ということだってありえます。

こうした理由から、マーケットプレイスが間に入って、目的に沿った業者選び、価格交渉といったことを購入者に代わって行うサービスのことを、マネージド・マーケットプレイスと呼びます。

マネージド・マーケットプレイスはここ数年話題になっており、既に多数存在しています、日本でも呼び方が浸透していないだけで実質マネージド・マーケットプレイスであるサービスもあります。

マネージド・マーケットプレイスの事例1: Pro.com

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pro.com

 

一つ事例として挙げられるのが、最近1000万ドルを調達した家の修理のマネージドマーケットプレイスサービスPro.comです。このサービスは開始当初はマネージメントをせず単純に業者と家のオーナーを結びつけるだけだったのですが、運営する中でそれでは、サービスの質、顧客満足度の担保が難しいということに気づき、ビジネスモデルを変更したそうです。現在ではサービスを提供している都市ごとに専門のチームを置き、自社の持つ契約社員と提携業者とで併せてサービスを提供しています。このモデルが上手く回っていることが今回の資金調達に繋がったといいます。

マネージド・マーケットプレイスの事例2: CarDash

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こちらはY Combinator2017年夏のクラスに採択された企業です。このサービスは、車の修理を自分で車を業者に持っていかなくても出来、しかも即日で帰ってくるという利便性を最大の売りにしています。このサービスのもう一つのキモとなる部分が、業者の選択、価格交渉、コミュニケーションを全てCarDashがやってくれる点です。

CarDashを使わない場合、顧客は複数の業者を自分で回ったり、写真を送って価格交渉するということをしなければなりません。値段だけでは、最適な業者の判断は出来ないので不安もつきまといます。例えCarDashに高めの手数料を払ったとしても特に忙しい方であるほどこのサービスに価値を感じる人は多いのではないでしょうか。

マネージド・マーケットプレイスの注意点

マネージド・マーケットプレイスはいいことだけではありません。悪い点として、手数料が高くなるということがあります。TechCrunchの記事によると、マネージメントが入らないマーケットプレイスの場合、手数料は10%程度が相場となりますが、これがマネージドマーケットプレイスの場合、30%-45%というような割合になります。そのため、ある程度、所得が高く、手間を代行してくれることに高い価値を置いてくれる人がメインターゲットとなってくるのかと思います。

マネージド・マーケットプレイスに向いているもの

マネージド・マーケットプレイスを運営する最大のメリットは、サービスの質を担保しやすく、顧客満足度を向上させられることです。また、高い顧客満足度を維持できればブランドを作ることが出来ます。

こうした点から個人的に考える、マネージド・マーケットプレイスに向いているサービスは特徴は以下の2点だと思います。

1. 専門性が高いサービスで顧客自身で適切なサービス提供者を選んだり交渉するのが難しい。
2. サービスやモノ自体の価格が高く、コミュニケーションを代行しても利益が出やすい。

実は、最近UpWorkが企業がフリーランサーを選ぶ際に個別サポートをしています。きっかけは分からないのですが、これはニーズが大きいのではないかと思います。プログラミングやデザインのようなサービスは特に依頼者側が詳しくない場合、どの人に依頼をするのがいいのか分からないし、大量にいるフリーランサーと一人一人やり取りしたり、プロフィールを見るのは大変です。なおかつ、UpWorkの場合は、長期に渡るプロジェクトも多いことや、時給数十ドルから数百ドルという人も多くいることなどから依頼者側の顧客満足度が上げられれば、将来的に十分に利益が回収できると思われます。

AirBnBのようなサービスでも、例えば誰でも登録出来る、住宅の管理も住宅提供者に任せるのではなくて、高級住宅に特化して、住宅管理もマーケットプレイス運営者が自社で業者を雇ったり、契約社員を使って管理するというようなことが出来るかもしれません。(既にありそうですが)

日本だと、くらしのマーケットという伸びているサービスがあってこのサービスは業者と購買者のマッチングのみを行っていますが、こうしたサービスのマネージドマーケットプレイスなども考えられそうです。

マネージド・マーケットプレイスがこれから盛り上がる理由

盛り上がる理由と書いていますが、日本だとこうした呼び名自体がまだない状態ですので、まだまだ白紙の状態から参入できる業界が多いのではないかと思っています。また最近、「自分の時間を買う」ことで人はより幸せになれるという記事が話題になってましたが、自分でやり取りすることに時間を費やすよりも、それを全部任せられる方が幸福度が上がるという点も、こうしたサービスがこれから盛り上がる理由になるんじゃないかと思えます。既に21世紀はモノはシェアして、体験を購入するという時代になっているし、これからもその傾向は続くと思われることからも

外食したりお手伝いさんを雇って「自分の時間を買う」ことで人はより幸せになれるという結果が判明 – GIGAZINE

まとめ

いかがだったでしょうか。これからマーケットプレイス型サービスをしていけないかを考えているという方は、是非マネージドマーケットプレイスについて分析してみてはいかがでしょうか。

参考記事:
The Evolution of Managed Marketplaces
Anatomy of a managed marketplace | TechCrunch


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プログラミング学習サービスCodeGrit(現在立上げ中)とオンライン英会話サービスのリンガルボックスを運営しています。